1月 30th, 2020

数年前に韓国のキョンジュを旅行したときの話です。日本からは自分一人で、現地で韓国人の友人とその奥さんと落ち合い、3人での旅行でした。友人とは自分が学生時代に行ったフロリダ留学で知り合ったのですが、とぎれとぎれだった付き合いもSNSのおかげでフェースブック上で連絡がきてから、こまめにお互いの近況報告をしています。昔のようにエアメールやメールだけではここまでつながることはできなかったと思います。

韓国ソウルへは仕事で何度か行ったことがありましたが、南部の方は行ったことがなかったので、古い歴史のある街、慶州に行ってみることにしました。秋の連休の時期で、プサンまで飛行機で移動。ソウルから友人がプサンまでわざわざ車で来てくれて、プサンで一泊した後、友人の車でキョンジュへと移動しました。

キョンジュは紀元前1世紀から10世紀に栄えた新羅王朝の都があった街で、古い文化財が多いばかりでなく、民家も古風なたたずまいの建物が多く残り、まるで古い時代にタイムスリップしたかのような雰囲気があります。友人の車で世界遺産にもなっているプルグクサ(仏国寺)、ソクラム(石窟庵)などを見て回りました。

食事は昔ながらの韓国料理が中心でした。食卓いっぱいにキムチやナムル、焼き魚などの小皿が並べられます。韓国料理というと焼肉やチゲを思い起こしますが、この時の食事はむしろ素朴な味わいの小料理群で、街の雰囲気にも良く合っているように思いました。古き良き伝統料理という感想です。舌の肥えた友人はちょっと物足りなさそうでしたが、私にはかえって目新しく楽しんで食事が出来ました。

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日本の仏閣はわびさびに通じる落ち着いた風情を感じさせますが、訪れた韓国の仏閣は、色使いも多彩でかなり違った印象を受けます。中国の仏閣ともまた違った趣があります。仏教は中国から朝鮮半島を経由して日本に伝わりましたが、たどって来た各地でそれぞれ違った形の文化として定着していることは興味深いです。

国立慶州博物館にも行ってきました。朝鮮半島の歴史は、昔日本史の授業で多少学んだ程度で、あまり深い知識はありませんでしたが、博物館では外国旅行者向けに解説用の端末を貸し出しており、展示物に近づくと日本語で展示物の解説をしてくれて、理解の助けになりました。浅い知識ながら当時の背景を思い浮かべてみたり、年代から日本の歴史と照らしてみたりと、興味深く見学することができました。

この時の旅行では、友人が車で来てくれていたので、かなり自由にいろいろな所を見て回ることができました。遠路はるばる車で来てくれた友人に感謝です。奥さんもとても優しくて、ずっと最後まで付き合ってくれました。

仕事で海外へ行く時は、空港まではリムジンバスを利用することが多かったのですが、この旅行の時は日本の連休中であったこともあり、道路の混雑で空港の到着が遅れるようなことがあると困ると考え、運行時刻の安定している鉄道を利用することにしました。(大阪在住で関西空港から出立しますので南海のラピートを利用しました)

ところが、駅でチケットを購入して乗り場に向かったところ、信頼していた特急が来ていないのです。よりによって信号機の故障だかで、30分前の特急すらまだ来ていないと言う有様。出発初日から大問題発生です。結局、大幅遅れながら飛行機のチェックインには間に合う時間に空港に到着でき事なきを得たのですが、よもやの事態に大変焦りました。

旅行計画は入念にと思っていたのですが、最善の選択肢と熟考した結果がこの事態とあっては、如何ともしようがありません。出だしからつまづき、不安で始まった旅でしたが、帰国した時には大変充足感を持って無事終えることができたのは幸いでした。


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